今日は一日じとじと雨が降ってふるわない一日。オンラインストアをチェックしたり、前回の「島」イベントのテープ起こし(あとちょっとだけ残して今日も終えられず…無念!)。あとは、市場で買った文庫などを脇山さんが値つけするようになったので(一通りつけたあとは私か店長がチェック)、つべこべ言ったり、文庫のクリーニングをしたりする。文庫の大半にブックオフの値段シールがはりつけてあり疲労。あのシールの存在が故にブックオフを心から憎んでいる。なぜあのシールはあんなにはがしにくいのか、クリーニングの度に骨が折れる。特に十年以上前に刊行されたもので、ブックオフのシールが二重にも三重にもなっている新潮文庫なんかは手の施しようがない。二重にはるなよ、自分の店のシールなんだからせめて前のやつをはがしてから新しいのを貼っておくれよ。自分の貼っているシールがとてもはがしにくいものだということを自覚しておくれよ。
 
今週は、武蔵野美術大学で開催中の大辻清司展に。ちょうどオープンキャンパスの日だったらしく、きゃっきゃ賑わっていた。フレッシュな空気に若干胸のつまる思いをしながら、大辻清司。自分の中に点在していた大辻清司のイメージが線で結ばれたような思い。家を撮った作品がとりわけ印象に残る。「ペルソナ展」や日宣美をはじめとしたデザイン関連の展示もしていて、知らなかっただけに喜びもひとしお、ふくふくしながら鑑賞。やっぱり格好良かった。オープンキャンパスで食堂も開いていたので、学食で昼食をとる。学食というものに縁がなく(短く終えた大学時代は常にお金がなかったので、昼食は購買で売っていた一番安いパンを食べていたところ、あまり仲良くないお洒落な同級生に「これ美術学科のひとがデッサンの時に使うパンだよ」と言われ、怒りとも哀しみとも似つかない感情で胸がいっぱいになった思い出しかない)どきどきしながら、冷たいたぬきそばを頼んだところ、ぬるい緑色の麺のようなものが出てきて学食幻想が完全に崩壊した。ついでに図書館にも入って、美大という場所の施設に心底驚いた。ただ、多摩美にしろムサ美にしろ、足を踏み入れるたびに感じるのは、施設や資料ばかりが際立って充実していることによる息苦しさだったりする。もっとゆるやかで、もっと無秩序で、もっと乱雑な方が私は楽しいなあということを思う。
 
あとは下高井戸シネマでイオセリアーニを見直したり、今年初のそうめんを食べたりなど。bunkamuraでやっている「サニー」の良い評判ばかり聞くのでぜひ観に行きたいのだけど、時間ができる前に終わってしまいそうで残念だ。
どうでもいいけれど、普段はあまり行かない場所で飲んでから、西荻窪に戻って夷で飲みなおしたときのあの安心感はなんなんだろう。今週も2回ほど同じことをして、「ああ、やっぱ安心するよなあ」としみじみ思ったのだった。下手すれば家に帰ったときより解放されているような気すらする。そんなに好きだったのかと自分に驚いた6月の3週目。