今日は終日ひたすら値つけの日。雨が降ったりやんだり、冷える日だったからかお店はさながら陸の孤島。値つけがトントン進んだ。昨日の市場で落札した思想関連と映画関連をまとめて値つけ。お客さんからの買取の査定と市場での買い物の査定は、同じ本でも思うことや見るところが違う。買取の場合、どんな本でもお客さんに納得頂けるよう誠実な値段はどこか、どの値段がふさわしいのか、ということを一番気にする(といっても、思い入れのある本だからというだけで高く買ったりはできないけれど)。市場の場合は、本に対してどの値段がふさわしいかということももちろん考えるけれど、今の店の棚の状態やこれまでの棚の変遷、これからどんな棚をつくりたいかということを考えている(ような気がする)。あとたまにイケてる新刊書店の棚とか、好きな古書店の棚を思い浮かべたりもする。違う思考回路をたどっても同じ値段がつけられることがきっと大事ななんだろうな、説得力のある値段てこういうことなんだろうなと思いながら値つけ。ふらふら。
 
今週は下高井戸シネマで「無言歌」(素晴らしかったけれど、どこか物足りなかった。寝床からグーが外へ出るシーンがあまりにも素晴らしくて圧倒された)。イ・ブル展(「よくわかんないんだろな」と思いつつ足を運んだらやっぱりよくわからなかった。最近ようやくあの手の表現を「苦手」だと思うようになった。今までは「わからない私が未熟なんだろな」と思ってたけど)。それから、「ほんとうの日本に出会う旅」/藤本智士、「悲しき熱帯の記憶」/川田順造(ジャケ買い)、「夢の賜物」/ソンタグを読む。ソンタグの新刊が出るのはとてもうれしいのだけど(装丁もオシャレだし)、読むたびに「おいおい、暗いぜ!」とニタニタしてしまう。
 
そろそろ暖かくなってきた。先週梅の花を見たからもうすぐで桜も咲くはず。