モランディ

今日は百年「と」モランディ 岡田温司さんと堀江敏幸さんのトークイベント。いつもは若干のキャンセルが出るのだけれど、今日ばかりはキャンセルが少なかった。みなさん楽しみにしていて下さったのだとしみじみ。プロジェクターで作品を写しながらのトーク。岡田さんと堀江さんとの掛け合いが軽快な良い時間だった。フォイルから出たばかりのモランディ画集も本当に素晴しい本だった、名前を耳にしたことはあってもそれ以上踏み込んで接してこなかったので、個人的にもモランディに踏み込むことのできたこの機会に感謝。店頭にも並べているので、名前しか知らないという方にもぜひ手にとってページを繰ってみてほしいなあ。
 
昨日はリブロ池袋で開催されていた西山雄二さんと森田伸子さんのトークイベントへ。久しぶりに池袋駅を利用して、西武なのに東口で東武なのに西口という罠に見事にはまり30分ほど迷う。はじめてお会いした西山さんは、とてもなめらかにお話をされる方で、ユーモアを交えながら多岐にわたり(かつ専門的・排他的になることを避けるように)お話をされていた。とりわけ印象に残ったのは、エーコの「薔薇の名前」とニーチェの「ツァラトゥストラ」からの引用を交えながらの「真理」と「笑い」の話。今回西山さんをお招きしたいと思ったのも、「哲学への権利」を読んで、「哲学」や「知」といった人文的なものの使命を信じるきっかけをもらえたからだった。言葉にすると薄っぺらいけれど、正確には「もう一度」「強く」信じようと思えたのだった。昨日のイベントで西山さんのお話を聞きながら、そんなことを思い出した。
 
今週は、止まっていたユルスナール「北の古文書」再開。とっかかりをつかむまでに時間がかかるけれど、とても面白い。どきどきしながら読み進めては、読み終えるたびに満足のため息がでる。今度ユルスナール「世界の迷路」第三弾にあたる「何が?永遠が」が刊行されるのだけど、翻訳は堀江敏幸さんだそう。早くもわくわく。あとは、家で小津三昧の日々。「お早う」がとてもよかった。阿佐ヶ谷ラピュタで東映ロマンポルノも見て、西荻窪のりげんとうというカフェにも行った。りげんどうで食べたランチが感動の美味しさで、久々にしっかり出汁をとっている蕎麦を食べて心がぽかぽか。店長に「出汁をとれたら強みになるよ」(シビアな男女の世界で)というようなことを言われ、教えてもらった出汁のとり方までメモしたにも関わらず、一度もとってなければ、とろうともしていない。なるほどね、この寒さが身にしみるわけだ。