今日もぐっとくる暑さ。3連休は海や山などから呼び声が聞こえるのか、吉祥寺の街もやや人が少なかったみたい。5周年という節目を前にして、色々と頭をめぐらせる。気づかないうちに、気持ちがゆるんでいないか、どこか手を抜いていないか、きちんとものを見れているのか、漠然としているけれど重い問いに気持ちが落ち込みかける。なんでも暑さのせいにしてしまいたくなるのをぐっとこらえて、ガリガリ君で涼を取る日々。
 
今週は、飴屋法水「おもいのまま」を鑑賞したり、イニャリトゥ「ビューティフル」を見たり。映画「ビューティフル」があまりにも素晴らしすぎた。美しいものと醜いもの、幸福と絶望、生きることと死ぬこと、どちらかに傾くことなくそのどちらをも見事に描ききっていた。だからこそ、スクリーンの中にある生きているもの全てがとても美しく見えて、胸を打たれた。見てから数日が経つけれど、まだ余韻が残っている。「おもいのまま」については、自分が「演劇」というものに対して持ち続けている疑問が取り払われるような圧倒的な体験というよりも、いくつかのヒントをもらったような体験だった。まだまだ勉強不足、もっと舞台を見たいと思った。
 
暑い暑いと呟いているだけで、毎日があっという間に過ぎる。堀江敏幸「なずな」を読み始めた。いつどこで読んでも、ぐっと引き込まれる。買ったままになっている本がどんどんたまっていく、どれも読みたいのになかなか進まなくてもどかしいのだけど、こういうもどかしさは楽しい。「いま」読みたいと思わせてくれる本は、先月や今月に刊行されたほやほやのものとは限らない。これまでの歴史のそこかしこに無数にあるはず、それをどうやって探すか、どうしたら誰かの手に届けることができるのか、悶々と考える。私も本屋に行こう、たくさんの本屋に行って教えてもらおう。