今日も土曜日夕方の吉祥寺サンロードのにぎわいにたじろぐ。夕方になると向かい合うドラッグストアがどちらも割引券を配り、ロヂャースは夕市をはじめ、洋服屋さんがタイムセールを始める。いつも通るたびに熱気を感じ、なんだか負けた気持ちになる。
 
今週も市場で落札したサンリオ文庫の値つけや、買取りの値つけなどであっという間。サンリオ文庫はまとめて100冊近く入荷。サンリオ文庫をまとめて入荷するのは今回が始めてだったので、値つけが面白くて仕方なかった。今回の入荷分はあまり状態も良くないので、「相場」(サンリオ文庫の相場というものは正直不可解、数万クラスのものもある)にあまりこだわらず、かといってサンリオ文庫の文化や歴史といったもの(是非はあるのだろうけれど、個人的にサンリオ文庫の大系的な感じは好きで、いま読みたい作家は沢山いる)をないがしろにしないように手をつけた。サンリオ文庫の歴史と、短いけれどこの店の歴史のちょうどいいところをうんうん考えたところ、だいぶお買い得価格になったと思う。今日、半分ほど棚に出したところ早くもちらほら売れて嬉しかった。
 
幼稚なことをあえて言うようだけれど、きっと、死ぬまでにこの世の全ての本は読めないだろうし、「あの本読みたかったなあ」と思いながら死んでしまうかもしれない(それは嫌だけど)、まだ読んでいない本が無数にあることを思うととても豊かな、幸せな気持ちになる。本に限らず映画でも絵画でも写真でも、何にでも言えること。まだ出会っていない本、いずれ読むことになるかもしれない無数の本がある。この店がそういう出会いの場になったならとても嬉しいし、まず何よりも自分にとってそういう場になるように働かないとつまらないということを、この一週間で度々思った。