百年と山伏と島  ~豊かさってなに?~

坂本大三郎×鯨本あつ子トークイベント
 坂本大三郎さんは普段イラストレーターとして生活している。けれど、8月になると「秋の峰入り」という修行のために山伏になるという。えっ、山伏ってそういう感じ?と驚いた。もっと世捨て人的な感じじゃないの?と勝手に、むしろそうあってほしいと思っていたからだ。けれどそうじゃないらしい。お坊さんのような方以外の多くの山伏は、ほかに仕事を持って生活しているようだ。それってどんな感じなんだろう。普段生活していてなにか違うのかな。
 
三か月に一度、日本の海に浮かぶ6852島の島々に暮らす人々のいまを伝える季刊紙『ritokei』。「島」で暮らすというと、不便なイメージでなんだか現実味のないことのように思う。だけど、『ritokei』で紹介されている人たちはその不便さを「不便」と感じているようには思えない。「不便」と感じているのは、島に暮らさない不便でない生活をしているわたしたちだ。八丈島に住む人は、「実際はあまり不便でないことに気がついた。「ないものはない!」と諦めればいい」と語る。島人たちは、私たちのフィルターを外して、あなたが望む暮らしってなに?と言っているようでもある。そう聞かれたときにどんな答えができるだろうか?
 
 お金持ちになりたい、仕事で成功したい、愛する人たちと心穏やかに暮らしたい、さまざまな欲望と願望があると思う。それって、その人にとっての「豊かさ」ということだと思う。けれどその「豊かさ」って何を基準にしているんだろう?誰かと比べて優れていたり、社会的な価値観から判断しているかもしれない。でも、それって疲れる。そんな風にしなくても「豊かさ」って得られるものなんじゃないかな。
 山伏になること、島で暮らすこと、そのことを通して私たちにとっての「豊かさ」を見直してみたい。
 
6月2日(土)13時~15時
1000円(予約時に関連書籍購入で100円引き)
5月12日(土)11:00~メール、電話、店頭にて予約受付開始!
※メールでご予約の方は、HPトップ→お問い合わせにて、メールフォームよりご予約頂けます。
 

坂本大三郎(さかもとだいざぶろう)
1975年千葉生まれ。イラストレーター、山伏。2006年、山形県羽黒にある宿坊「大聖坊」の山伏修行に参加。09年、山伏出世の行と呼ばれる「秋の峰入り修行」に参加する。以降、出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)を拠点に、古くから伝わる生活の知恵や芸能の研究実践を通して、自然と人を結ぶ活動をしている。

鯨本あつこ(いさもとあつこ)
鯨本あつこ(いさもと・あつこ) 
離島経済新聞社主宰。『離島経済新聞』『季刊リトケイ』編集長。大分県日田市(内陸の盆地)出身。編集者、イラストレーター、各種ディレクターを経て2010年にクリエイター仲間と『離島経済新聞』を設立。個人の編集活動として「世田谷パン祭り」PRディレクターなどさまざまな地域事業に関わる。趣味はお酒とコミュニケーションと考え事。