岡田温司×堀江敏幸トークイベント 百年「と」モランディ 瞑想する絵画ーモランディのまなざしを探る

 20世紀イタリア美術史において最も重要視される画家のひとりであるジョルジョ・モランディ(1890-1964)。
 ボローニャの自宅のアトリエで壜や壺を描き続け「孤高の芸術家」と呼ばれた生涯。
 なぜ人はモランディの絵に惹きつけられるのか、彼は壜や壷に何を見ていたのか、そしてどういう人物だったのか、「眼に見えるものほど抽象的なものはない」という言葉に象徴され、「絵画によって瞑想する」モランディの絵が今もたらすものとは。
 未だ謎が多いモランディを、日本におけるモランディ研究の第一人者である岡田温司さんと、モランディ愛好家である堀江敏幸さんが語ります。
 また幻の展覧会で伝えたかった、モランディと同時代の作家たち、その後今に至るまで影響を受けた作家たちとの関係をあぶり出しながら、時代を遡り新しいモランディ像を探って行きます。
 
2011年12月17日(土) 14:00~16:00(サイン会あり)
※当日に当店で購入した書籍のみが対象となります。お持ちになった本へのサインはご遠慮ください。
参加費:1000円 ※当店で対象書籍ご購入の方は100円引き
定員:50名
予約締め切りました。
 

岡田温司(おかだ・あつし)
西洋美術史、現代思想家。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。1954年、広島県三原市出身。著書、訳書多数。2003年に『モランディとその時代』(人文書院)により第13回吉田秀和賞受賞、2009年に『フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析』(2008年、平凡社)で第60回読売文学賞受賞。近刊に『ジョルジョ・モランディの手紙』(編訳、みすず書房)、『ジョルジョ・モランディ―人と芸術』(平凡社新書)、また新刊に『アガンベン読解』(平凡社)、『デスマスク』(岩波新書)など精力的に発表を続けている。

 

堀江敏幸(ほりえ・としゆき)
作家・フランス文学者。早稲田大学文学学術院教授。1964年、岐阜県多治見市生まれ。著書、訳書多数。1999年、フランス留学時代の体験をもとにしたエッセイ集『おぱらばん』(青土社/新潮文庫)で三島由紀夫賞受賞。2001年『熊の敷石』(講談社文庫)で芥川賞、2003年『スタンス・ドット』(「雪沼とその周辺」所収、新潮文庫)で川端康成文学賞を受賞、2006年『河岸忘日抄』(新潮文庫)で読売文学賞受賞。訳書に、ジャック・レダ『パリの廃墟』(みすず書房)、フィリップ・ソレルス『神秘のモーツァルト』(集英社)など。近刊に『なずな』(集英社)、『本の音』(中公文庫)などがある。

 

『ジョルジョ・モランディ』(フォイル) 定価:3150円(税込)
惜しくも東日本大震災によって中止となったモランディ展のカタログが、日本で初めてのモランディ画集として生まれ変わりました。約70点のモランディ作品のほか、須賀敦子全集の装丁でも知られる写真家・ルイジ・ギッリによるモランディのアトリエを撮影した〈アトリエ・モランディ〉シリーズ17点や、気鋭の西洋美術史研究者・岡田温司、堀江敏幸、岡崎乾二郎をはじめとする豊富なテキストも収録し、新旧のモランディファンに捧ぐ一冊です。