百年と残雪 ~中国現代文学・残雪の世界へ 近藤直子×古谷利裕~

百年と残雪
~中国現代文学・残雪の世界へ 近藤直子×古谷利裕~

昨年から刊行のはじまった河出書房新社の世界文学全集(池澤夏樹・個人編)に中国現代文学を代表する作家・残雪が収められるということを知り、驚いた。世界的に評価を得る一方で、日本ではそれほど知られた作家ではないからだ。しかし、一度読むとその奇妙などんよりとしたイメージはなかなか消えることはない。ぼくも『廊下に植えた林檎の木』を偶然読んで以来好きになった。他の作品も読んでみたいと思って、毎日のように古書市場でくまなく捜しているがめったに見つけることはできない。

「中国」が変化しているいま、残雪の作品は世界に日本にどのように読まれるのでしょうか。残雪のほとんどの作品を訳している近藤直子さんに残雪の魅力、作品についてお聞きしたいと思います。
また、対談相手には画家であり『世界へと滲み出す脳―感覚の論理、イメージのみる夢』(青土社)で幅広い評論を手掛けている古谷利裕さんをお迎えします。時に情景を思い浮かべることすら困難な残雪の作品をどのように「読む」のでしょうか。

近藤直子(こんどう・なおこ)
1950年生まれ。『暗夜』、『黄泥街』、『突囲表演』、『魂の城、カフカ解読』など残雪邦訳のほとんどを手掛ける。現在、日本大学文理学部中国語中国文化学科教員。現代中国文学小部屋で残雪の紹介をしている。

古谷利裕(ふるや・としひろ)
画家。1967年生まれ。2008年、デヴィット・リンチ、岡崎乾二郎、保坂和志等々を取り上げた初の評論集『世界へと滲み出す脳 感覚の論理、イメージのみる夢』(青土社)を刊行。ブログ偽日記@はてな

残雪(ツァン・シュエ)
1953年中国生まれ。父母は新聞社に勤めるが、右派と見なされて文革終結までさまざまな迫害を受けた。この頃から古今東西の文学に親しむ。83年、仕事のかたわら『黄泥街』の執筆に着手。その後も『蒼老たる浮雲』、『カッコウが鳴くあの一瞬』などの中短編、長篇『突囲表演』やカフカ、シェイクスピア、ダンテなどの作品論も旺盛に発表している。今年8月に刊行された池澤夏樹=個人編集・世界文学全集6巻に『暗夜』他が収められる。

10月18日(土) 20:00~22:00(入場19:30)
チケット 1000円
予約開始 9月27日(土)11:00より 
定員 50名