商店街はクリスマス・ソングがかかり、東急デパートの立派なツリーはもう出されている。今週は値付けばかりした。人文とちくま学芸文庫、ヘンリー・ダーガー、ゴダールのDVD、ホラー、SFの映画関係などが入荷。値付けは難しいなーと実感する1週間だった。でもいい本を値付けしている時はわくわくしている。面白い絵本もたっぷり入ったので早く出したい。アメリカのデザイナー、ポーラ・シェアがストーリーを手がけている(なぜイラストでなくストーリーなのだろう。)絵本や1963年の『Night’s Nice』などなど。復刻版では出せないオリジナルの色がとても素敵。

今日は陽射しが暖かく、わりとお客さんが来たので安心する。江戸切絵図のつくり方が書かれた本を探しているお客さんと話す。切絵図とは江戸時代から明治にかけてつくられた区分地図で、当時どこがお寺だったとか、誰の隣に誰が住んでいたかだとかそういうことが書いてあって、例えば池波正太郎とかの小説はそれを参考に書かれたりするそうだ。その切絵図がどんなふうに作られているか記述のある本を探しているという話だった。結局百年に今そういう本がなく、そう伝えるしかできなかったのだけれど、こういう話を聞いた後はいつも、そういう本を探しながら過ごすようになる。古本屋は複数の人の探し物が常に頭の端にある。

休日は千葉泰樹特集にせっせと通い、ノーランの新作や6才のぼくが大きくなる映画や『私をスキーに連れてって』なんかを見た。原田知世と三上博史が付き合うまでに10語くらいしかしゃべっていなくて衝撃だった。あと、とてもバブリーな時代の話なのに、原田知世だけ清純なイメージでびっくりした。ヒロインはいつの時代も清純なのか。