百年の8周年セールが終わった。最終日は大雨大風だったけれど、それにもかかわらずお客さんは多かった。「百」の大きいロゴの入った早水さんデザインの(というか袋自体を縫うこと以外はぜんぶやっている)エコバッグ(8周年のノベルティで3000円以上本を買うともらえる)は好評!私も少し刷りを失敗しているものを1枚もらった。素敵で嬉しい。家で見てもいいなと思った。けれど正直自分が百年の店員のためか、なんだか照れてあのバッグをまだ使えていない。早水さんは今日普通に使っていていた。堂々としていてすごい。
今週は中央市で落としてきた文庫の値付けや外文、松下竜一などのノンフィクションの値付けをしてごしごしとクリーニングし、せっせと棚に出した。ノンフィクションの口が百年に来たときは、ちょうど最近出た『井田真木子著作撰集』(里山社)を読み終えたところで、普段はノンフィクションは同時代性が重要な読み物で、時と共に古くなるのではと思って値段を決めたり、使わなかったりしていたのだけれど、井田真木子を読んでみたら、私の予想は大体間違っていたことがわかった。全然というのは嘘だし、もし過去のノンフィクションを読んで、いま全く違和感がないのだとしたら、それはその時の「いま」をきちんと切りとれていないのだろうと思う。だからそれでいいのだ。そうは言っても、自分たちの「いま」は過去と当たり前につながっているらしい。問題は完全には変わることはなく、充分に自分の差し迫った問題だった。だから一気に通読した。そしてもうひとつ面白かったのは、井田真木子の著作に出て来る登場人物たち。私は撰集1作目に収録された『プロレス少女伝説』を読んですぐに神取忍に憧れるファンになってしまった。彼女のかっこよさは、もちろんその強さにもあるのだろうけれど、何よりいいのは自分をとても頭がいいと思っているわけではないのに自分で考えて行動しようとするところだ。どんなに偉いとされる人になにを言われても、彼女は自分で考えてから答えを出していた。結果、周りから浮いていて、彼女の他者との違いは際立つ。ただ、このなかなかできないこと生まれ持った気質からやろうとする彼女について読んでいて、尊いことだと私は思った。そんな本が店に新刊で積んであるから、たまには古本の棚にもノンフィクションをさすのもいいかもしれない。
そういうわけでノンフィクション、いつもより多めにささってます。