梅雨入り。古本屋につらい季節。雨の中びしょびしょになりながら来てくれるお客さんなんて嬉しいけれど、自分のことを振り返って、まあ雨がざあざあ降っている中古本屋にわざわざ行くかと聞かれると古本屋の自分でもそんなに簡単には首を縦には振れないので、お気遣いなくお近くで何かご予定のある方は是非ちらりとでもお越しくださいという気持ちで営業する。うそです。余裕なんかはかませないので本当はとっても、とっても、来てほしいです!是非来てください!と思っている。そしてそんな日はネット上に本をひたすら登録する。昨日始まった喜多村みかさんの展示がすごくいい。
東京で一番の古本屋がなんて大きなことは全く言えないけれど今東京で一番残雪の本を扱っているのは百年ではないだろうか。もしかして日本中で一番。いや、でも調べてはいないので残雪の本をたくさん扱っていますに訂正。イベントのためもあるけれど、本当にユニークなこの作家の文章に、一文一文や、物語の流れに、今でなくても出会わないのは惜しいと思う。いつか読む日のために来るのもいい。

休日は『罪の手ざわり』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』を見た。2本ともあたり。幸せな気持ち。映画本の勉強会にも行った。お題は表象08(月曜社)特集:ポストメディウム映像のゆくえのロザリンド・クラウスの論文「メディウムの再発見」を読んでくること。人の助けなしに読んでの感想はチンプンカンプン。最低限わからないことをどうわからないか説明できるようにしていった。勉強会では自分以外の方から丁寧な解説とこうじゃないか、ああじゃないかとの意見を聞き、自分のわからない部分を埋めていき、的外れな発言などもしてみたりした。そうやって謎を解いていくのはとても面白く、刺激的な時間だった。映画の見方を習って映画を見るつもりはまったくないけれど、映画を見てこんなことを考えた人たちがこの時代にはいたっていうことはもっと知ってみたい。そのあと飲み過ぎて朝起きたら知らないチョコアイスの袋がふとんに転がっていた。酔って、帰りにコンビニで買って食べたらしい。