またしても少し間があく。日記という名前なんだしきっと毎日とか毎週とかちゃんとつけないといけないのだろ。日記と名乗るのにいささか申し訳なさを感じてきた今日この頃。今日こそは何か書こうと思う。とりあえず夜番のことを書く。百年は夜の23時割と遅くまでやっている古本屋だ。そして古本屋の夜は昼と違う夜なりの面白さがある。お客さんは学校や仕事が終わって家に帰る人、もしくは呑みに行っていた人が最後の力をふりしぼってやってきてくれる気がする。大げさだろうか。今夜は渡辺克巳の『新宿1965-97』が売れた。お客さんは「前にその中の一枚の写真をどこかで見て、印象に残っていて、でもすごく欲しいというわけではなかったのだけど」買ってしまったとのことだった。夜はそういうふうに自分がなぜこの本を買うのかを教えてくれる人が少し増える気がする。気のせいかもしれないけれど。

今度のイベント「百年『と』写真雑誌 進化する写真雑誌の今」ゲストの『写真画報』の編集者沖本尚志さんが来たのも2か月前の嵐が通り過ぎた夜だった。私はちょうど入ったばかりの松江泰治の写真集『hysteric Matsue Taiji』をネットショップに登録していたら1人のお客さんが入ってきて
確か、「松江泰治の写真集『hysteric Matsue Taiji』どこにありますか?」と聞かれたと思う。それが沖本さんだった。「これです」って持っている本を差し出して、中を見るか聞いたら「中身は全部知ってるし、松江泰治はこれ以外全部持ってます。」と沖本さんは仰った。これはものすごい松江泰治ファンが来ちゃったなぁ、何か聞かれたらどうしようかなぁとか考えて、自分の知る松江泰治についての知識をを頭の中で検索していた。沖本さんは「やっぱりこのくらいするんだなぁ」とか言いながら値段を見ていた。しばらくして今度は「ここは本を委託で置くことは出来ますか」と聞かれたので委託はこうこうこんな具合ですすめますと話したら、「自分は実は『写真画報』という雑誌を作っているものでして・・・」と言う。私は丁度その何日か前に「『写真画報』と『IMA』のイベントをやりたい」と樽本さんと早水さんに話していたところだったので、沖本さんの名前はもちろん知っていた。でも依頼のメールをどこ経由で出そうか思案していた相手の人が急に表れたのに驚いて沖本さんの名前は私の頭の中から飛んで行ってしまい失礼にも「元『photographica』の編集長!」「元『photographica』の編集長!」と沖本さんに向かって連呼していた。(※沖本さんは『photographica』と言う雑誌のの編集もされていた)そんな感じでこのイベントはトコトコとあちらから歩いてくるように始まったのだ。最近は寒いせいか夜にお店を開けていてもお客さんがなかなか来なくて寂しいのだけれど、やっぱり夜も古本屋は開いていた方がいい。

今面白い写真雑誌『IMA』と『写真画報』の編集者のお二人がご登壇。
このイベントはきっと面白くなるはず。チケットは少なくなってきましたが、是非お誘い合わせの上ご参加ください。
百年「と」写真雑誌 ‐進化する写真雑誌の今‐