セールも明日でおわり。セール中に思想哲学書をまとめて入荷できたので、大急ぎで手入れして、昨日から続々棚に並んでいます。おかげさまで6周年、本を買って本を売る繰り返しが6年間途切れずに続いたことが、心からうれしい。お客さんに本を売っていただかないと、棚に並べるものがない。6年間ずっとお店を開け続けることができたのは、本を売ってくれるお客さんと本を買ってくれるお客さんがいたからだなあと感謝のおもい。本を読むことに飽きがこない感じ、新しい出会いが常に新鮮である感じ、この2つの感覚が一緒にあるような場所になればいいなと抽象的なビジョンをぼんやり描く。

ここ数日でアートブックの棚と思想哲学の棚をちょっと整理。昔は棚を整理するときは、かなりきっちり分けてきっちり整理しないと気が済まなかった。でもその「きっちり」の軸が自分勝手な軸なので、結局よくわかんない並びにしかならなくて、「きっちり」分けるために勉強しなければと思っていたのだった。最近は「ざっくり」に比重を置きがち。きっちり流れをつくるよりも、ざっくりした大体の流れをつくって、こまめに手入れをした方がいいことにやっと気づいた。下段の隅の方にあったアドルノの本を、なんとなくざっくりした流れに沿って3段目くらいに入れてみたら、同じ本なのにちょっと違ってみえる(気のせいかも)。ちょっと場所を変えればきらりと光る本の背を見て「愛いやつめ」などとにやつくこと度々。

それから、今月25日のイベント準備でばたばた。今回のイベントは「食」。すごく個人的な話だけれど、毎日店頭に立っていて思うのは、何十万円もする本が売れてほしいということでなくて、本を間にいれてお客さんや前の持ち主、歴史やそれぞれの思い出、色々なものに繋がっていくという感覚が何よりも楽しいということ。それは本に限らず、あらゆる場面で、あらゆるものを媒介にして行われていることだと思う。何よりも身近で、私たちのからだと思考を直接つくる「食」もまた、人と人の間にある「つなげるもの」だと思う。その「食」について考えたい、もっと豊かで楽しい「食」のかたちはきっとあるはず、それを知りたいという思いが今回のイベントのきっかけ。お金を出せば豊かな食卓になるわけじゃない。何十万円もする本が誰にとってもの名作であるわけではないように、それぞれの「名作」と同じそれぞれの「豊かな食卓」があるはず。それを探るために、是非お話しをお伺いしたいと思ったのが今回お呼びするお三方。キャリアも、分野も、年齢もばらばらだけれど、それぞれの理念のもとに実践的な活動をどんどん展開している方々。「食」に不安があるひと、誰かのためにごはんをつくるのが好きなひと、飲食店で働いているひと、多くの方にお越し頂けるよう現在ばたばた告知を展開中。もうひと頑張り。