ゴールデン・ウィークのセールもいよいよ明日が最終日。今日もたくさんのお客さんにお越し頂いてうれしい限り。在庫状況が「ぎりぎり」の域をすでに超えている気がするも、今日はたくさん買取をお持ちいただいて一安心。査定してお支払いしてすぐに棚へ。
 
ゴールデン・ウィークも自分が仕事だと、それぞれがなぜ休みなのかわからない。今日はこどもの日だったのか。保坂和志さんの「カフカ式練習帳」を読み終えた。けれど、まだ小説の中にいる気分。まだ終わっていない。小説家が一番気を使うのは、いま書いている小説を長く続かせるためにはいまここでどのような息遣いが必要なのかということ、というようなことが本の中に書いてあった。あのすばらしい小説はどのような息遣いで書かれたのだろう。小説論三部作や他の保坂さんの小説が読みたくなったのを我慢して、磯崎さんの「赤の他人の瓜二つ」。イーグルトン「批評とは何か」を少し読み進めるも雨の音で眠くなって苦戦。来週の火曜日東京堂書店での保坂和志さんのトークイベントがたのしみ。
 
最近、すぐに眠くなってしまう。のは、春がきたからか。電気もつけっぱなしで眠ってしまって明け方に目覚めて、あわてて寝支度をする日々が続く。そのたびに、昔中学生かなんかのころに、野球部のマネージャーをやっていた同級生の女子がこの頃は帰宅して夕飯食べて電気もつけっぱなしですぐに寝てしまうんだって、とその女子の母親から聞いたという自分の母親の話を思い出す。その女子は野球部のマネージャーだけあって私とはほぼ接点がなく、当時は「えらいなあ、はつらつだなあ」くらいにしか思わなかったのにずっと頭に残っている。最近は、明け方に目覚めてはそのことをぼんやり思い出し、私はもう十代じゃないんだなあ、大人になったんだなあとぼんやり思う。電気はつけっぱなし、でも誰もこまらないし、そのことすら誰も知らない。