DaisukeTanaka+YutaYanagi|DaisyBell」インタビュー

―― 今回の展示「Daisy Bell」のコンセプトは二人で考えたんですか?

柳●僕です。最初田中くんにタイトル「花」と言われて、「花」という直接的な表現が嫌だったんです。僕は余白というか余韻がある方がいいなと思っていて、以前に新宿文化センターで細野晴臣さんが「Daisy Bell」を歌っているのを聞いたことがあって、機械という無機的なものが有機的な歌を世界で初めて歌ったということに感動しました。2001年宇宙の旅でも使われていたのですが、あとから結びつきました。響きも素敵だし、詩の一節に「君の心に花を咲かせたい」という部分があり、僕たちの作品を見ることで見た人の中に花とまではいかなくても、種だったり、芽が生まれたら、それはどちらの作品に関係なく素敵だと思いました。僕は見てくれた人に響いてもらえるから、作品に意味が生まれると思っていて、作品の意味は見る人に連れてきてほしいと思っています。その意味のひとつに花が咲くような気持ちになってもらえたら、生み出された作品は本当に幸せだと思い、今回の展示のタイトルに「Daisy Bell」をつけました。

―― DMもとても良かったですね。写真とイラストを合わせる手法はお互い初めてですよね?

田中●初めてです。でも協同作業で進めていって楽しかったです。

―― 新しい発見はありました?

田中●発見というか…やっぱり難しいなって。写真で見せたい時もあるし、柳くんの絵を見せたい時もあるし、写真を下地として写真の上から描き込む時に、良い写真、悪い写真は本当に関係なくて。単体で見せたい写真もあったので、DMは3種作りました。僕の写真と柳くんの絵のちょうど中間は青い丸があるものです。

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―― プリントした写真に直接描き込んでいるんですね。Photoshop上で合成しているのかと思いました。

柳●だからぶっつけ本番なんです。

田中●面白かったのが僕は写真を厳選したんですけど、ほぼ関係ないんですよ。

柳●厳選していると写真が語っちゃっているから絵が邪魔になるんです。

田中●写真も見せたいけど…いや、難しいんですよ。まだ試行錯誤してます。

柳●田中くんは表現したいっていう気持ちが強いですよ。笑

田中●表現というか、僕にとって「写真」は人と繋がるためのコミュニケーションツールなんです。今回の展示でも作品を通して、見てくれる人の感覚や記憶と繋がれたら嬉しいです。

柳●僕は見てくれた人それぞれの中に、微かにでも触れるものがあれば嬉しいです。

―― どんな作品が出来上がるのかとても楽しみです。ありがとうございました。

※1 「ka na ta」加藤哲朗さんによる日本のファッションブランド

※2 「writtenafterwards」山縣良和さんによる日本のファッションブランド

(2014年7月7日 吉祥寺・百年にて)

Daisuke Tanaka Profile

1981年 大阪府生まれ
2005年 Phat Photo Contest ホンマタカシ賞
2006年 Resist Photo Workshop参加
2011年 個展「かげろう」「漂泊」Gallaly SHUHARI
2014年 個展「ひかりのすきま」 Gallery BRICOLAGE

Yuta Yanagi Profile

1985年 東京都生まれ
2005年 ka na ta 2009s/s Collection artwork
以降ka na taの一員として活動
2014年 二人展「yukokitahara+yanagiyuta」Gallery TOKINOSHIZUKU
https://tumblr.com/blog/1ooo0