麦島汐美個展 「やさしい海には骨がある?」

会期:2021年2月10日(水)-14日(日) 12:00-19:00
   ※最終日は17:00まで
会場:一日(東京都武蔵野市吉祥寺本町2-1-3石上ビル1F)

この1年間、どこまでも二人きり走ったり、誰もいない水辺でぼぞぼそ話し合ったり、見つめ合ったりしながら撮りためた7人分のポートレートを展示します。

56年前には、姉たちと連れ立った高校生の女の子が、代々木の選手村を隙間から覗き込んでいました。それもぜーんぶ更地になったんだよ、と祖母が呟くところでボイスメモを停止する。彼女にとってこの広い家でひとりで生活する、初めての1年でした。ある人は初めて子どもを産み、ある人は仕事を辞めました。悲しみや怒りの波が打ち寄せるたび、冷たい海へ誘う強い引力が足もとに纏わりつくようです。初めて手で触れてみた瀬戸内海も冷たくて、でも想像していたより遥かにきれいで、ずっと見ていたかった。隣にしゃがんでいた彼女が、”本間さんに似てない?”というのにまったくピンと来なかったけど、日の光をひらひら反射する水面が一瞬誰かの顔の形になった気がした。本間さんは私たちの共通の先輩で、いつもやさしい。疲れたなー、とか言うと飴やらチョコやらどこかから出してきて一粒くれる。
彼ら一人一人がそれぞれの場所でそれぞれの立ち方で立っていたことを、遠く対岸にいるあなたにも見つけて貰えたらいいなと思っています。

麦島汐美:
1995年東京生まれ。ミスiD2018文芸賞受賞後、麦島汐美として写真、映像、文章などの制作を発表している。2020年には「She is」https://sheishere.jpでの執筆やトークイベントに参加のほか、「ユリイカ 9月号」(特集:女オタクの現在地)、「おもいだしたらいうわ」などへ寄稿。また、横浜国立大学主催の「都市と芸術の応答体2020」https://rau-ynu.comに参加し、オンラインイベント「RAUフェス2020-2021」を2月末に開催予定。

-写真集「やさしい海には骨がある?」を販売予定です。

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 *歩いてすぐの「百年」さん(大好き!)も営業しています。
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