Exhibition お寺のハナちゃん

会期: 2023/8/28(月)-9/3(日) ※火曜定休(8/29休) ※初日は15時から、最終日は18時まで
会場:百年 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10 2F

 私が暮らす佐渡最北端のお寺に、柴犬のハナがやって来たのは2020年9月でした。認知症も進んできた祖母との2人暮らしに行き詰まっていた私は、新潟本土で偶然出会ったハナをお寺に迎え入れることにしました。

 ハナが来たばかりの頃はコロナ禍の真っただ中でした。祖母は癌を患い、物忘れも激しくなっていましたが、天衣無縫なハナの姿に救われる日々でした。やがて私はそんな祖母とハナの日常を撮影するようになり、このたび一冊の本として出版しました。その中から選んだ一部を展示します。

梶井照陰(かじい しょういん)
1976年生まれ、新潟県出身。1999年高野山大学密教学科卒業。1995年~1999年、高野山で修行。ベトナム、カンボジア、パプアニューギニアなど、世界各国を訪ね、積極的に取材して歩く。2004年、佐渡の波を撮り続けたシリーズで第1回フォイル・アワードを受賞、写真集『NAMI』を発表する。同作で、2005年度日本写真協会新人賞を受賞。現在、佐渡島にて真言宗の僧侶をしながら、写真家としての活動をおこなっている。他の著作に『限界集落─Marginal Village』(写真+ルポ)、写真集『KAWA』『HARBIN 2009-2012』『DIVE TO BAGLADESH』がある。

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書誌情報 
『お寺のハナちゃん』

写真と文で綴る
柴犬ハナとの日々

六道輪廻(ろくどうりんね)── 犬も魚も私も 今この時を 精いっぱい生きていく

僧侶であり写真家の著者と、90歳の祖母が暮らす佐渡島最北端、限界集落にある寺に柴犬のハナがやってきました。
人間たちがコロナウイルスに翻弄されるなか、佐渡島の美しい自然を謳歌する天衣無縫なハナに、2人は魅了されていきました。
写真と、ときに僧侶らしく仏教用語を交えた文で綴ったそんな日々の一コマ一コマが、私たちに生きることの尊さを考えさせます。


「捌いた魚は、ハナにもお裾分け 肉より魚が好きな犬になった 特に寒ブリが大好物」
「春分秋分夏至冬至 影は伸びたり縮んだり」
「人は老い、命の火は小さくなる 山にはいつも新しい春がやってきて 芽吹き、花咲き、鳥がさえずる」
── 本文より

●巻末に仏教用語の解説付き