ふくふく

すっかり日が短くなった。今日、市場で落札した品を持って帰ってきた店長が抱えていたものは、鏡とおもちゃだった。古本屋なのにふしぎ。近々本棚の間の隙間に並ぶ予定。
 
12月のイベントが決まった。『哲学への権利』の著者西山雄二さんと、音楽家であり批評家である大谷能生さんをお迎えする。『哲学への権利』は今年読んだなかでもとりわけ胸を打たれた1冊だった。震災直後、気持ちをどこへどう向ければ良いのか戸惑っていたときに、手をさしのべてくれた(もちろん内容は、直接的に震災と関係ないのだけれど)。大谷能生さんは対談集「フランス革命」を読んでから、いつかきっと百年にもお呼びしたいと思っていた方。「フランス革命」は対話のスリルが存分に感じられる素晴しい本だった。イベントではお二人のそれぞれの活動を出発点にして、どのような軌跡を辿り交差するのかということも聞ける場になるかもしれない。開催は12月だけれど早くも楽しみ。
 
光田由里さんの「言葉ともの 日本の現代美術1961-72」をそろそろ読み終える。日本の現代美術を高松次郎の作品と思想を通じて考察した読み応えのある本。すべて書き下ろしだそう。じっくりと読み進めてくうちに、自分のなかで「絵画」の見方や捉え方が大きく変わっていくのを感じた。まだうまく言葉にできないけれど。ナディフでのトークイベントも面白かった。「言葉ともの」の影論争での章を、大谷能生さんの「散文世界の散漫な散策」収録「宮川淳 アンフォルメル以後」とあわせて読むのが面白かった。
あとは、佐々木敦「饒舌な小説家」、マッカラーズ「黄金の眼にうつるもの」を読んだ。小説っておもしろい。
 
読みたい本があるとお酒の量も減るなあとふくふく。