水牛・八巻美恵×夏葉社・島田潤一郎 百年と詩、そして出版 ~行く手を照らす灯り~


ジット・プミサク。1930年にタイ東部で生まれ、1966年政府軍によって暗殺される。
中屋幸吉。1939年沖縄県石川市に生まれ、1966年沖縄中部、知花城にて自死。
ともに若くしてこの世を去り、忘れ去られていった詩人であり、闘う人であった。
苦しむ人たちの行く手を照らす人であった。
いま、われわれは苦しんでいる。灯りはどこにある?
その答えを知るために、この二人は混迷する現在に召喚された。

70年代後半、かれらの詩に曲をつけて歌う「水牛楽団」の活動にかかわり、月刊ミニコミ「水牛通信」を発行し、現在WEB版「水牛」を主宰する八巻美恵さん。
「何度も、読み返される本」を出版し、出版活動におけるその真摯な姿勢に読者、書店から静かだけれど熱い支持を受ける夏葉社の島田さん。その島田さんにとって大切にしている詩人のひとりが中屋幸吉だ。
世代の違う二人を繋げた二人の詩人。大きいものに頼らず、自分たちで、小さなメディアを武器に活動を続けてきた「水牛」とたった一人で出版を続けている島田さんの活動はどこか似ていないないだろうか。

ジット・プミサク、中屋幸吉、水牛、出版について話すことは、わたしたちの行く手を照らす灯りとなる可能性を秘めている。

八巻美恵(やまき みえ)
編集者。1970年代に高橋悠治らと「水牛楽団」を結成、ミニコミ「水牛通信」の編集に携わる。青空文庫の創設に関わり、現在web版「水牛通信」の水(http://www.suigyu.com/主宰。2012年12月、八巻美恵選「ジット・プミサク+中屋幸吉 詩選」がサウダージ・ブックスより刊行された。
島田潤一郎(しまだ じゅんいちろう)
吉祥寺の出版社夏葉社代表。2009年立ち上げ以来、関口良雄「昔日の客」、上林暁傑作小説集「星を撒いた街」、アンソロジー「冬の本」など7冊を刊行。
水牛
webマガジン。前進は伝説のミニコミ誌と名高い「水牛通信」。「水牛通信」は、高橋悠治らのバンド「水牛楽団」の活動の一部として1980年に発刊された。「水牛楽団」は軍事クーデター下にあったタイの抵抗歌を紹介するため78年に結成。ジット・プミサク作詞作曲「牛鈴によせる恋歌」や、高橋悠治が古本屋で見つけ心を動かされた中屋幸吉の詩に曲をつけ、演奏した。85年解散。

2013年2月18日(月)20:00~22:00(入場19:30)
チケット:1000円
2月2日(土)より、電話(0422-27-6885)・店頭・メール(HP右上の「お問い合わせ」もしくはmail@100hyakunen.com)にて予約受付開始!予約の際はお名前と参加人数をお知らせください。