きくちゆみこ個展「内側の内側は外側(わたしたちはどこへだって行ける)」

会期:2020年12月16日(水)-29日(火)最終日は16:00まで 12:00-19:00 ※ 火定休
会場:一日(東京都武蔵野市吉祥寺本町2-1-3石上ビル1F)

きくちゆみこ個展202012

「桜の花ひとつひとつが星にも人にも見えてくる もうすでにすべて恋しい」

家にこもりきりだったあの春の日々、毎日6000字を超える日記を書きながら内へ内へともぐることになった。でもその先にあったのは、今までずっと遠かったはずの「外の世界」と、その独特の親密さだった気がする。

たとえば夜の散歩、電話から聞こえてくる声、風に揺れるいくつもの花と名前も知らない鳥たち。目黒川を走るランナーはいつもあっというまに通りすぎていく。暗くなれば窓に張りつき、遠くにぼんやり光るマンションの明かりを数えた。ときに娘と、たいていはひとりで。

2020年の4月から6月にかけてしたためた、日記の断片の展示です。考えたこと、聞いたこと、話したこと、見たもの、食べたもの、読んだ本、娘のつぶやき、家族の会話、不安、感動、怒り、そして何枚もの写真 etc、内側の世界にどっぷり浸からなくてはいられなかった日々の部屋を丸ごと、「一日」に持って行けたらと思います。それはそのまま、内側を外側にするための試みでもある。今日のあなたと、あの日のわたしが出会う場所。ほんのちょっとの時空を超えて、どうぞあの部屋に遊びにきてください。

【きくちゆみこ】
文筆・翻訳業を営みつつ、言葉を使った作品制作・展示も行う。2010年よりパーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたジンを発行。主なタイトルに『(unintended.) LIARS』、『愛を、まぬがれることはどうやらできないみたいだ』など。
website: yumikokikuchi.com
instagram: @unintendedvoices

*今回の展示のために現在製作中の日記本『内側の内側は外側 (わたしたちはどこへだって行ける)』を販売します。その他、過去のzineやグッズ、パートナーである成重松樹の写真zineなども並ぶ予定です。

*感染症対策のため、一度に複数の方々にお越しいただいた場合は少し待っていただくことがあるかもしれません。その場合は歩いて数分の「百年」さんや、吉祥寺の街でお過ごしくださいませ。また、在廊につきましても今後の状況を踏まえ、タイミングを見計いつつ(もしくは何か別のやり方で)実現できたらと思っています。おもにinstagram @unintendedvoices のstoriesで発信する予定です。