Artist Statement -Taxxaka 個展 Airport&Forest-

会期:2021年5月5日(水)〜5月9日(日)
時間:12:00~19:00 (最終日は17:00)
会場:古本屋 一日 (武蔵野市吉祥寺本町2-1-3)
http://www.100hyakunen.com/news/202105053185

ステイトメントの「JLGとカラックスの映画における時間の遅延」という部分についてもう少し詳しくおきかせください。
蓮實重彦さんはその著書の中でしばしばゴダールは常に既に映画の歴史的にも表象としても遅刻している作家と見做しています。またそこで流れる映画の時間もまた決定的なスローモーションや、繋ぎ間違いによって遅延や反復、より具体的には車同士が混み合う場面や停止している飛行機等の表象で観るものを翻弄します。
世代が変わってゴダールの影響下でそれをさらに反復し脱臼させた作家にカラックスという名をあげることができます。
カラックスは『ポーラX』の森において弛緩した時間を我々に届けてくれました。

・「空港」と「森」というモチーフはどういった理由から採用されていらっしゃいますか。
上記のことから時間をテーマにした場面としてゴダールの車や飛行機、カラックスの森を意識しました。それぞれ流れる時間が異なること、また水平方向に流れる時間や自動車、飛行機に対して、垂直に伸びる森林の対比も面白く感じられました。
自分のものとするために、今回は高尾山と羽田空港をモチーフとして選択いたしました。

・ご自身のなかで「絵画」と「映画」というのはどういった関係性を持っていらっしゃいますか。
自分はもともと絵描きにコンプレックスを感じていた人間です。ですが詩と映画にはシンパシーを強く感じてきました。それ故、絵を描く資格のないものにも映画的思考や詩から出てくる表象やイマージュを写真を観ながら変換していくことで「絵画」を可能にできないものかと試行錯誤を繰り返し、現在に至っています。
映画的時間の流れやその遅延などについてはジャック・デリダの影響を強く受けておりますが、それについてうまく説明するのは難しいので詳しくは東浩紀さんの『存在論的、郵便的』という本を参照していただけるとありがたいと思います。

・つよく影響を受けたもの/体験はありますか。
制作で大切に思ってることはなるべく描き過ぎないことと直感(ベルクソン)的に進めることです。

・影響を受けた本、おすすめの本、○○な時に読み返す本など、なにかあなたの特別な1冊を教えてください。
吉増剛造さんの詩集『出発』はなにかの折に立ち返るときに開いています。

・今後の活動予定があれば教えてください。
現在のところは未定ですが、また描きたくなったら何かを描くのだと思います。今は少し混乱しているので先のことは考えられないです。

2017年にオープンした古本屋&ギャラリーです。古本屋「百年」の姉妹店です。
吉祥寺駅から徒歩3分。
写真、イラストレーション、絵画、立体、映像など、ジャンルは問いませんのでぜひご相談ください。
事前にメールにてお問い合わせ後、作品のイメージが伝わるもの(ポートフォリオ等)をご持参のうえ、どのような展示にしたいかをご提案ください。

5日間(水~日曜):15,000円+2,000円(税抜)
11日間(水~月曜&翌水〜日曜):30,000円+2,000円(税抜)
※最長2週間迄

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