樋口達也個展「くま」
2022年2月23日(水)-3月6日(日)
12：00-19：00 ※最終日17：00まで

絵とは「祈り」だと思う。
たとえば「古絵馬」には祈りがある。
簡素で、省略し尽くされた図案のなかに、ひたむきな祈りが凝縮されている。
そのひたむきさにうたれる。

熊を描きながら、頭の中に「アーバンベア」の ことがあった。
近年問題になりつつある、都市部に現れる熊のこと。
「アーバンベア」は歩き続けてどこへ行こうとしたのだろう。

熊は厄介者の「アーバンベア」である前に、偉大な「ナチュラリスト」であるはずだ。
食うために原野を歩き、眠り、糞をする。
その糞は森を育む。

単純に熊を見つめていたい。
そのかたちを、黒いかたまりを、木に刻みたい。
そして、熊よ、どうかご無事で。

樋口 達也
画家、イラストレーター
広島市出身、宇都宮市在住。
個展を中心に作品を発表。 技法にこだわることなく、旅の途上を描いてゆきたい。
近年、熊の絵多め。熊の絵本を手がけるのが夢。
HP: https://www.higouti.com/