Artist Statement -清水千恵里 個展 「それらの短い瞬間、それらの夜」-


2021年6月2日(水)〜6月13日(日) 12:00〜19:00 (最終日は17:00まで)

☞http://www.100hyakunen.com/news/202106023176


・今回の展示のコンセプトをあらためてきかせてください。

個人の記憶を共有することをテーマに、今まで制作してきた絵画と、もうインターネットには存在しないつぶやきの記憶、涙の記憶のある映画のファンアートで今回展示を構成しました。
一見それぞれはばらばらに見えますが、自分のなかではゆるいイコールでつながっていて、同じ空間に並べてみることで星を繋いで作った星座のように何か形が見えてくればよいなと思っています。

・展示タイトルが映画から引用され、会場でも映画のファンzineを販売されていらっしゃいますが、映画と制作はご自身のなかでどのような関係ですか?

現在映画館でアルバイトをしているのですが、自分と映画の関係を改めて考えたときにファンという立場が1番近いと思い今回zineを制作しました。また、以前からファンアートというもの自体に興味があったのですが、描いてみて初めて好きでいる事を続けるために作るものなのかなと感じました。

・『もうインターネットには存在しない約10年の記憶です』と書かれたzineも大変興味深かったのですが、こちらの作品のコンセプト、または制作のきっかけなどがあればお聞かせください。

一時期、外の世界に共有される言葉とTwitterの下書きや携帯のメモに溜まっていく共有されない言葉の差は何なのだろうと考えていて、その実験としてTwitterを冬眠していたことがありました。
具体的には、頭に何か言葉が浮かんだら下書きに残しそれを1ヶ月ごとに見返して、そのとき残った言葉だけをひろって集めて眺めてみる、日々のコラージュみたいなことを半年くらい続けていました。そこから昔のツイートを手書きで紙に写経したり、過去の記憶をトレースする作業をはじめてみました。
その頃ちょうどジョナスメカスの映画日記のことを知り、個人の記憶を共有することをテーマにすることと、その映画の一場面から引用した「それらの短い瞬間、それらの夜」を展示タイトルに決めました。

・制作において大事にしていることはありますか。

ここ数年で1番大事に思っていることは、続けていくことだと思っています。
自分の場合生活と制作は地続きなので、具体的なものとして世に発表することができなかったり、手を動かす時間が短くなっても、何かを考えることはやめないようにしたいです。

・つよく影響を受けたもの/体験はありますか。

大学生の頃から制作を続けている、細胞をモチーフにしたcellシリーズという作品があるのですが、この絵のイメージのきっかけは幼少期に見た顕微鏡の微生物からきていると思います。その時に感じた、自分の目には見えないけど実際には存在しているものがあるという経験は、目に見えないものや言葉にできないイメージを表現したいという他の作品にも共通しているテーマだと思います。

・影響を受けた本、おすすめの本、○○な時に読み返す本など、なにかあなたの1冊を教えてください。

小学生の頃、図書館で何度も借りて読んでいた みやざきひろかずさんの「ちきゅうになった少年」という絵本です。
自分がなりたいと願ったものに何でもなれる未来のお話で、そのSF感のある設定や独特な絵のタッチや色合いがすごく好きでした。
最後のページのはっきりとはわからない不思議な終わり方も、子供ながらに衝撃を受けたのを覚えています。

・今後の活動予定があれば教えてください。

具体的な展示や発表の予定は無いのですが、次は音や映像を使った制作をしたいなとぼんやり考えています。


2017年にオープンした古本屋&ギャラリーです。古本屋「百年」の姉妹店です。
吉祥寺駅から徒歩3分。
写真、イラストレーション、絵画、立体、映像など、ジャンルは問いませんのでぜひご相談ください。
事前にメールにてお問い合わせ後、作品のイメージが伝わるもの(ポートフォリオ等)をご持参のうえ、どのような展示にしたいかをご提案ください。

5日間(水~日曜):15,000円+2,000円(税抜)
11日間(水~月曜&翌水〜日曜):30,000円+2,000円(税抜)
※最長2週間迄

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